第8回 WOLF RPGエディターコンテストぽり視点レビュー


こんにちは。ぽり0655です。
さて、今年も恒例のウディタオンリーのコンテスト、「WOLF RPGエディターコンテスト」が開催されました。
今年もぽりの視点から作品のレビューを行っていきます。
特に今年から「全レビューでない」「未プレイの方にも配慮したデザイン」などの新しい要素を実験的に導入してみました。
今までのレビューより気楽に、そしてこれからプレイする方の参考にもなってくれると嬉しいです。

上の画像をクリックして「問題点指摘フィルター」をONにすると、レビューページから「作品の問題点」「改善提案」が非表示になります。つまりゲームへのDLリンクと褒め言葉だけになります。
これからプレイする方が批判点に惑わされずに作品を選ぶ参考になってくれれば。

記号の読み方

プレイメモには、以下の記号が使われています。
:作品の良かったところ
×:作品の気になったところ、悪かったところ(現在表示されていません)
:気になるところの改善案(現在表示されていません)

※ゲームのバージョンによっては、このレビューで指摘した内容が既に修正済みである可能性もあります。
もし、このレビューに関してご意見ありましたらtc_porik(あっとまーく)yahoo.co.jpまで。

002:ぼら猫パズル

:「災害ボランティア」というテーマとゲームシステムが見事にかみ合ってて、しかもシステムがゲーム性をしっかり持っているから、システムもストーリーの一部として感じられる「完成された作品」だと思った。

×ただ、パズルは最初から最後までほぼ何も変わらない5×5のパズルというのはちょっと。「パズルを30問解いた」というよりは「1問のパズルを30回やらされた」印象にしかならない。<???>

1問ごとにステージの形状が変わるとかだとシステムをさらに活かしたパズルになりそう。<???>

005:怪人げるちょなの森

:2Dアクションの作りこみ・再現度も謎の配置の丁寧さも上質。ラスタとかエフェクトの凝り方に至るまで全てお見事。今まで自分が見てきた中で「最もウディタを活かしきった作品」と言える。

×一つだけ気になったのは原作にも(ほぼ)存在しない「HP0の敵が逃げまわる」演出。倒れる寸前に逃げまわって遠くにアイテムばらまくから回収が大変だし、「部屋の敵を全部倒すまで進めない」という状況で毎回待たされるしでデメリットでしか無い。<???>

「アイテムの回収」という点を踏まえた場合、むしろ敵がHP0になったら2~3歩主人公に近づいてアイテムになったっていいワケ。その辺りの「リアリティとユーザビリティの境界線」みたいなのを突き詰めてみたら面白いかなあ、と思うのです。<???>

すごくあたりまえの事でも気をかけてくれるカトリちゃんかわいいです(*´Д`*)<???>

007:おうちにかえろう。

:イラストの丁寧さと、作りの柔らかさと、表向き隠してるのに隙間から止めどなく溢れだす邪悪さと、あともやしナムル。

×残念なのは柔らかさと邪悪さでも隠しきれてない間延び感。鍵探しにしても邪悪エンドにしても「やろう」と思ってからできるまでものすごく時間がかかるから、このゲームの本質に触れる前に飽きちゃいそう。<???>

特にマップの間延び感が激しいなあ。そう思う一番の理由は「マップが単調すぎて今何処にいるかわからなくなる」ことなので、バリエーションを持たせるかバッサリ削るかしたほうがいいかもね。<???>

014:GreenRunningMan

:これ以上なくシンプル。だからこそこれ以上なく本気が出せる。

×ただ、これは名脇役として君臨するべきもの。ジャンプゲームを主役として持ってくるのはちょっとやりすぎかな。<???>

今のゲームはサブゲームとしてそのまま置いておいて、アイテムなどの要素がある「ジャンプだけじゃない」ゲームがメインにあったらより良くなるかも。<???>

015:Nancy Story -Movement-

:ミニゲームとしてよく扱われる漢字クイズをがっつりとメインに持ってくるという発想はありそうでなかった。「高難易度の漢字を知ってると戦闘が高出力で安定する」というのもありそうでない面白い考え方。

×「漢字がテーマ」なのにカタカナと英単語ばっかりで統一感のない用語とシナリオ。「漢字で戦う」という特徴を活かしてない武器コストやRPの概念。正直「その時思いついたものを何も考えずに適当に突っ込みました」感がある。<???>

ゲームの世界はてっぺんの極一部は「感覚とセンス」の世界だけど、そこまでは「論理と体系」の世界だ。要素を付ける意味とメリット・デメリットを論理的に考えてみよう。人の感情が作り出すゲーム内の動線とそれに沿った演出を体系的に考えてみよう。きっと考えることで道が見えてくるはず。<???>

018:旅人の手記

:第一印象は「やってもやっても新要素が出てくる」って感じ。サブクエストとか家具とか寄り道要素がとにかく用意されてて飽きない。

×ただ、本当にサブクエストのみで構成されてるのはやり過ぎかな。冒険してるというよりはみんなのパシリしてる感が強いし、「自分は何をやっているか」がだんだんわからなくなってくる。<???>

どんなに「自由度高い」と呼ばれるゲームでも必ず「メインクエスト」があるのって、やっぱりメリハリのためだと思うんだよね。プレイヤーさんに目的を与えることは大切なのかも。<???>

023:りばーしばし

:音ゲーとしての面白さもそうだけど、一番魅力を感じるのは「観客者視点でリバーシの試合を見る面白さ」かも。自分の目の前でリバーシの接戦をどんどん見せてくれる映像作品という楽しみ方もアリかも、って思わせてくれた。

×プレイ中の一番の違和感は「リバーシの途中でいつの間にか勝ってる」こと。「盤面が埋まってないのに決着がつく」というリバーシでは絶対ありえない体験をするせいで毎回脳がパンクする。<???>

リバーシ+音ゲーの雰囲気を出したいなら、ひとまずリバーシの決着がつくまで(盤面が全部埋まるまで)を1ステージとしてみたらどうだろう。音ゲーで勝ってたのにリバーシで負けるという理不尽な経験をする羽目になるかもしれないけど、それはそれで面白いかもしれない。<???>

024:モーヴの博物誌~メソポタミア篇~

:神話の神々を調査(という名の破壊)していくテーマは斬新。RPGの敵キャラが神、ということはよくあるけど、それに明示的に理由付けされてるってのは面白いなあ。

×とは言え、神々をゲームに使った「意味」をそこ以外で感じなかったのが正直なところ。シナリオが繋がってないから話として楽しめないし、途中ヘンテコリン(死語)な日本語が出てくるからギルガメッシュ叙事詩としての雰囲気もない。<???>

特に「メソポタミア神話という濃いテーマを使ってるのに雰囲気が出来てない」ってかなりの問題点。「メソポタミアで作る」と決めたなら、最後まで100%メソポタミアのみでつくり上げる勢いじゃないと雰囲気は生まれないよ。<???>

032:HeRoad

:長所はサクサクなこと。キャラがすぐ強くなるけど、かと言って「通常攻撃」押しっぱなしで勝てるほど甘くはないという難易度調節の作られ方が良い。

×短所はサクサクなこと。どういう事かというと、この作品って買い物時の手間や無駄マップのせいで実はそんなにテンポ良くないんだよね。でも、「シナリオが無さ過ぎる故の超速展開」がテンポの悪さを有耶無耶にしちゃってるせいで「無味淡白なサクサク」が出来上がってるんだ。<???>

「シナリオがあっても邪魔」という考え方もあるから、シナリオをつけるつけないは作者さん次第だけどね。でもシナリオって「作品を魅力的に彩る要素」の一つだから、これを無くすのならそのぶん「作品を魅力的に彩る要素」を何か一つ足してみたほうがいいかも。<???>

033:素数大富豪!

:あれ?5桁の数が素数か合成数かってこんなに一瞬で調べられるものだっけ?こんなに当たり前のように素因数分解ってできるものだっけ?まるで当たり前のように高度なことをやってて、それを当たり前のようにサラッと流しちゃうポテンシャルの高さが素晴らしい。

×でも、この作品をプレイして思った正直な感想は「30秒で素数か判別できる人以外お呼びじゃない」ってこと。このゲームは数学トーク・アルゴリズムトークが出来る友人とワイワイ語り合いながらやるのに適したゲームで、素数に慣れてない人がコンピュータ前で黙々と一人プレイしてても素数の面白さには一切触れられないかなあ。<???>

もし自分が「素数を知らない人にも興味を持ってもらう」目的で作るとしたら、過剰すぎるほどにサポート機能を増やすかなあ。「素数は知らないけど素数を使って勝てた」という経験をしてもらうと、少しずつ素数に興味を持ってもらえるかも。<???>

044:お茶会は冒険<パーティ>の後で

:ドットアニメの細かさとか、街で調べられるオブジェクトの多さとか、「プレイ時間は短いけどそのぶん密度を増やす」作りだったことに満足。

×残念だったのは前半と後半で展開が両極端過ぎて、「こんな人にプレイしてほしい」というのが全く見えてこなかったこと。ほのぼの展開が好きな人は中盤に突然現れる違和感でプレイする気が失せるだろうし、暗いシャープな展開が好きな人は序盤の気だるさで断念してそう。<???>

もし自分が同じテーマでゲームを作るとしたら、たぶん「意味怖(意味がわかると怖い話)」にして、あくまで表面上は「ただの仲良し3人組のおつかい」に見えるように作るんじゃないかな。その代わり序盤から「うん?」と感じる要素を入れていって、ドロドロしたのが好きな人にも察してもらえるように、とかね。<???>

045:ウルファールのサンプルゲーム(仮)

:戦闘を作業化しない、でも複雑怪奇にもなってない。みんなが一度は体験する「つまづき」メインでありながら、ありきたりなシナリオにしない。すごく悔しいけど、「限りなく満点に近い作品」です。

×これは問題点というよりは疑問点に近いんだけど、何故テーマをウディタに限定したんだろう?創作が行き詰まることによる闇なんて誰にでも起こりうるテーマなわけで、わざわざウディタに限定してプレイヤーさんの幅を狭める必要は無かったんじゃないかな。<???>

とは言え、これはこれでテーマとしてアリなわけだし、作者さんの考え方次第とも言えるけどね。<???>

048:宝さがしのお手伝い

:携帯ゲームと比較してPCゲームは「どっしり腰を据えてプレイする」ゲームが多い昨今、「腰を据えずにちょっとずつ長くプレイさせる」切り口なのは逆に新鮮。

×行動の度に現実時間で待たされるシステム自体は面白いけど、その要素になるのが早すぎ。「このゲームは何ができるか」が分かる前から待たされる3時間って(すぐに1時間ぐらいまで短くできるとはいえ)かなりストレスだよ。<???>

1時間待たせるのは、「1時間待ってでも先が見たい!」とプレイヤーさんに思わせてから。つまり中盤以降の面白さが見えた時。それまではちょっとだとしてもプレイヤーさんを待たせちゃダメだと思うなあ。<???>

050:いばらのうみ

:歌入りのBGMって使いどころが難しくてなかなかゲームに採用しづらいんだけど、BGMが溶け込めるような雰囲気を綺麗に作ってて、しかもBGMに負けない「自分の色」をしっかり持っていたことが驚愕。プレイしてて気持ちよかった。

×難易度がとても高いのは問題じゃないし、ストーリーが謎だらけなのも問題じゃないんだけど、「先へ進むのに大量の気力が必要」なほど難しくて「頑張って先に進んでも疑問が解き明かせる気が全くしない」ほど謎だらけな事が悪い相乗効果を生んで、モチベーションが全く湧いてこないのが弱点かなあ。<???>

「段階的に難易度を上げて」「段階的に謎を置いて」……と、全て段階を考えて構成してみるといいかも。最終的な難易度が今と変わらないぐらいだったとしても、最後まで遊んでくれる人の数は劇的に増えると思う。<???>

052:ヒトリ

:いくらでも深読みさせる物語だと思います。不思議なOPEDも、テーマと比較して驚くほどほのぼのしたマップも、恐怖感を感じるほどに残酷なシステムも、語りすぎず出し惜しみせず深読みさせてくれる。

×「孤独恐怖症」―「誰もいなくなるとゲームオーバーのシステム」という「点と点を繋いだ線」は1本見えたけど、2本目が見えてこないのが残念。たった1本の線で最後まで描ききったせいで、どうしても序盤以降に蛇足感が出てしまう。<???>

「誰もいなくなるとゲームオーバー」―「スニーキングミッションみたいな戦略」―「戦略を出すために町の人を移動させるイベント」―「イベントで主人公のバックグラウンドを匂わす」みたいな、ゲームを補強する線をいくつか作ってみたほうが良かったかも。<???>

060:追竜記

:マップを敢えてRPGっぽく見せる黒枠だとか、メニューから戦闘から全部オリジナルのシステムだとか、「自分らしさ」を全体的に表現してるいい作品だと思う。

×でも、マップのつなぎ目が分かりづらかったり、マス目移動なのに移動範囲表示がドット単位の正円でズレがあって分かりづらかったり、細部では惜しいところがちらほら。<???>

ただ、これは自分らしさを表現してる過程で生まれた「ポジティブな欠点」だからね。自分らしさをこれからも表現して、ついでにちょっとプレイヤーさんへの優しさを考えてみよう。<???>

062:きのこ狩り

:グラフィックとアニメーションの作り込み、少しずつてんやわんやになっていく難易度、ちゃんと多数のきのこも一気に処理できるシステム。全体的に丁寧に作ってあるな―、と感じました。

×ちょっと残念だったのが、「どんな倒し方をしようが1匹倒してもらえるのは1ポイント」だったこと。うまい立ち回り方を覚えちゃったら、あとは「いつまで飽きずにボタンを押し続けられるか」勝負になっちゃうのが欠点かな。<???>

例えば「左端のきのこが消える直前で倒すと5ポイント」みたいな駆け引き要素とか。とは言え、こういうのは「制作に慣れて余裕が出てきた作者さん」が考えるべきことだから、初作品の今回は駆け引き要素がなくてもじゅうぶん素晴らしい出来だと思います。<???>

063:うでぃずもう

:タイトルから繋がるネタで掴みはもう完璧。そして意外に白熱する作りだったので、パッと白熱してスッキリするのにちょうどいい。

×四天王戦あたりで突然難易度が上がって、しかもネタもウディタに関係なくなってきて、だんだん熱が冷めていっちゃったのが残念。<???>

「ウディタ関係ない!」とかそういうツッコミでもあれば、まだネタとして昇華できたのかもしれないなあ。お笑いって難しいね。<???>

066:Defence Saviors (ディフェンスセイバーズ)

:プレイヤーが介入できるのが「配置とレベルのみ」というのはTD系では要素が少ない方だと思うけど、逆にそれが「見る楽しさ」を強めてくれてる。マウスカーソルの自動消去とかも含めて「遊んで楽しい見て楽しい」作品にするための配慮が万全。

×惜しかったのが「多数ユニットの物量攻めより高レベルキャラの少数精鋭」のほうが強かったこと。そのせいでよほど悪手じゃないかぎりユニットの配置が結果に影響しない作りだったかなあ。<???>

まあ、これはプレイスタイルの問題だし、今の状態でもダメってことは決して無いと思うよ。<???>