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管理人が訊く「オレん家カントリークラブ」

管理人

それでは、本日の「管理人が訊く」、
ウディタでは異色のフル3Dゴルフゲーム「オレん家カントリークラブ」について
聞いていきましょう。

ぽり0655

はい、お願いします。

3D計算をちゃんとした3Dゲームが1つぐらいあっても

管理人

このゲームについてお話するとなれば、
まず最初に聞いておかねばならないのが
「3Dについて」でしょう。

ぽり0655

まあ、そうなりますよね。

管理人

2Dゲームに特化して作られたウディタで3Dをやろうと思うこと自体、
かなり異色なことだと思いますからね。

ぽり0655

はい。あの「ちょっと斜め上」の表現を出すために頑張りました。

管理人

何故3Dをウディタでやることにこだわったのかを、
はじめに聞かせて頂いてよろしいですか?

ぽり0655

うーん、何故こだわったかと言えば……
意地だったのかもしれませんね……。

管理人

意地、とは?

ぽり0655

今まで「ウディタで3D」といえば、
一人称視点のダンジョンRPGが主でしたよね。

管理人

「あたまの中のゆうしゃ様」のようなものですよね。

ぽり0655

実のところ、ダンジョンRPGの一人称視点を3Dと呼ぶことに
ずっと違和感があったんです。

管理人

え?3Dじゃないんですか?

ぽり0655

はい。厳密には、
「3Dの計算を一切してないダンジョンRPG」を
3Dと呼ぶことに抵抗があるんです。

管理人

3Dの計算を一切せずに3Dダンジョンが作れる、と。

ぽり0655

作れるんです。

管理人

少し、そこに関して
詳しく聞かせて頂いてもよろしいですか?

ぽり0655

ダンジョンRPGでも、壁の表示のために3Dの計算をする
必要があります。
ですが、一人称のダンジョンRPGは、この計算回数を
極限まで減らせる作りなんです。

管理人

「3Dダンジョン」というシステムでゲームを作ると
難しい3D計算が少なくて済むわけですね。

ぽり0655

はい。3Dダンジョンの場合、
上手く作ればゲーム全体で十数回程度しか計算せずに済みます。

管理人

そこまで減らせるんですか!

ぽり0655

十数回しか計算しないとなれば、
わざわざウディタで計算させる必要も無いんです。

管理人

十数回ならば、別な3Dツールなりで計算して
計算結果をウディタに入れておくのが一番合理的でしょうね。

ぽり0655

はい。そういうことで
ウディタで3Dダンジョンと呼ばれているゲームの中でも、ウディタ内で
3D計算を一切していないゲームはかなり多いんです。

管理人

へぇ。計算せずとも
3D演出が出来るというのは意外です。

ぽり0655

あとこれは作った後に気づいたのですが、
本当に3Dの計算を行った場合、むしろウディタと3Dダンジョンは相性が悪い
事も判明したんです。

管理人

え!?本当ですか?

ぽり0655

はい。3Dの計算で一番使う演算子(※)って
何だと思いますか?

(※)演算子:足し算の+、割り算の÷などの、計算に使用する記号。
この場合は計算方法そのものを指す。

管理人

何でしょう?

ぽり0655

計算方法によって微妙に違いますが、
実は、小数の掛け算なんです。

管理人

へぇ。
ですが、ウディタでは小数の掛け算はできませんよね。

ぽり0655

はい。ですので整数で掛け算して
無理やり小数に「偽装」します。
ですが、この時どうしても計算誤差が出てしまうんですよ。

管理人

計算誤差が出ることと、3Dダンジョンが合わないことには
どんな関係があるのですか?

ぽり0655

計算する物体との距離が近ければ近いほど、
許される計算誤差は小さくなるんですよ。

管理人

つまり、「遠くの壁の計算なら0.1ズレても影響はないけど、
目の前の壁の計算は0.0001ズレると大きく影響する」ということなんですね?

ぽり0655

そうなんです。
そして、一人称の3Dダンジョンでは目の前に壁がある、という状況は
多々あるわけです。

管理人

すなわち、「本当にちゃんと3Dを計算するなら、
すべての壁と距離を置く必要がある」のですね。
そういえば、「オレん家カントリークラブ」では、少し空中に浮いて
斜めから部屋を見ていましたね。

ぽり0655

はい。斜め上から見ることで、
目の前の物体とも多少の距離を置くことが出来ます。
すなわちこの視点は、
「本当に3D計算を行った場合、ウディタと一番相性の良い視点」
というわけなのです。

管理人

それは意外でした。つまり今の「ウディタ3D」の主流は
「ちゃんと3Dを計算したならむしろ一番相性が悪いはずの手法」と
いうことなんですね。

ぽり0655

そこがずっと気にかかっていたのが、
この3Dを作った動機というわけです。

管理人

つまりあなたが3D計算を作ったのは、「3D計算をしていない偽物に
本物のウディタ3Dを見せてあげましょう」って事ですか(笑)

ぽり0655

別に3Dの計算をしないことが悪いとは思わないですが、
3D計算をちゃんとした3Dゲームが1つぐらいあっても
いいんじゃないか、という気持ちで作りましたね。

管理人

なるほど。

ここまできたら、全部変えちゃおう

管理人

さて、ゲームの内容に入る前にずいぶん
時間を使ってしまいましたね(笑)

ぽり0655

マニアック過ぎて
みなさんがもう読んでないのではないかと心配です。

管理人

それは大丈夫でしょう。
それでは、ゲームメインの話に移ります。

ぽり0655

とは言え、あくまで単純なゴルフゲームですので、
あまり言及するところは無いのですが(笑)

管理人

いえいえ。「インドア」「マウス操作」など
単純なゴルフゲームとは一線を画していますよ。

ぽり0655

「インドア」というのは、「せっかく3Dを作ったんだから、
起伏の激しい作りにしないと損だぞ」と思ったからですね。

管理人

つまり、3Dが先にあって、
インドアはそれに合わせた形なのですね。

ぽり0655

はい。そして「インドア」ということが決まったら
残りも順番に決まっていきましたね。
一般的なゴルフにおける障害物は「池や木」ですが、
部屋の中にはどちらもありませんから。

管理人

それで「コーラ」と「ジャンプ台」と。
でも一般的な部屋の中にジャンプ台はありませんよ(笑)

ぽり0655

部屋といえば四方を壁に囲まれてますから、
そこを跳ねまわったほうが面白そうじゃないですか。

管理人

確かに、OB(※)のある屋外ゴルフでは
ジャンプ台なんて何の意味もありませんからね。

(※)OB:ゴルフでボールがコースの外に出て行くこと。1打ぶんのペナルティをうける。

ぽり0655

はい。

管理人

それでは「マウス操作」に関しては
どのように決まったのでしょう。

ぽり0655

ここまで屋外ゴルフと違うものを作ったのなら、
いっそ操作方法も変えちゃおうかとなりまして。

管理人

それで「マウス操作」になったのですね。

ぽり0655

それに元々、「スポーツをボタンで操作する」という
考え方も気に食わなかったんです。

管理人

「3Dダンジョンを3Dと呼ぶこと」のほかに「スポーツをボタンでやる」ことも
否定的だったんですか(笑)

ぽり0655

まあそうなりますね(笑)
ここまできたら、全部変えちゃおう、と。

管理人

つまり、このゲームは、ぽりさんの
「アンチテーゼ」のゲームだ、と。

ぽり0655

結果的には、そんな感じです。

管理人

いや、本日はいい話を聞かせて頂いて
ありがとうございました。

ぽり0655

はい。ありがとうございました。