第15回 WOLF RPGエディターコンテストぽり視点レビュー
こんにちは。ぽり0655です。
毎年恒例のウディタオンリーのコンテスト、「WOLF RPGエディターコンテスト(通称ウディコン)」の季節が今年もやってまいりました。
今年も昨年同様、「作者さんへ向けた指摘」と「プレイヤーさんへ向けたゲーム紹介」の二方向からレビューを構成していきます。
上の画像をクリックして「ネタバレフィルター」をOFFにした場合、「作品の問題点」「改善提案」「ネタバレ部分」が表示されます。
スイッチがONのままであればゲームのDLリンクと褒め言葉のみのページになります。
これからプレイする方が批判点に惑わされずに作品を選ぶ参考になってくれれば。
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レビューアイコン
レビュー内には以下のアイコンが使用されています。
:作品の簡単な紹介文
:作品の良かったところ
:作品の気になったところ、悪かったところ(現在表示されていません)
:気になるところの改善案(現在表示されていません)
※ゲームのバージョンによっては、このレビューで指摘した内容が既に修正済みである可能性もあります。
もし、このレビューに関してご意見ありましたらpori0655(あっとまーく)ymail.ne.jpまで。
001:零落と紺碧の海神
作者:冒険者@シロヰ
プレイ時間:1周30分前後
レビュー時点のバージョン:7/15公開版
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ノンフィールドRPG”風味”のノベルゲーム。道中で手に入るアイテムを管理してモンスターと戦うゲームですが、そこはどちらかというとやりこみ要素程度の軽いもので、本質はそのRPGを軸にして展開するひと夏の冒険譚を楽しむノベルゲームがメイン。
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実はプレイ前の説明文やOPで描写される「19歳の夏に自転車で冒険する」にめちゃくちゃ違和感を持って疑心暗鬼でプレイしてたことを正直に告白します。だって「夏の自転車の冒険」とは中高生のアイデンティティであり、「19歳の夏の冒険」とは車・せめてバイクであるべきだと思っていたから。でもこの作者さんはすべての違和感にちゃんと意味を用意してくれてた。これは「19歳」で「夏」で「自転車」でないとダメだし、なんならこの「7~8月」の「コンテスト」に出すことまで踏まえてシナリオを磨き上げているやり手の作者さんだと思う。
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唯一、惜しいと思ったのがラスボス戦。ここだけ「パターン化された技をひたすら出していく長期戦」になるのがあまりにシナリオとミスマッチで肩透かしを食らっちゃった。ネットランキングという点でもほぼ運ゲー要素なのでミスマッチ感が強い。
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「過去を終わらせるための子供的戦闘(カッコいい技をバンバン出して倒す)」「前に進むための大人的戦闘(過去を受容して壊す)」とかやり方はいろいろあったと思う。いずれにせよシナリオをカッコよく締めるもう1ネタが欲しかったな。
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005:怖がらないでよ僧侶さん
作者:WeakRabbit
プレイ時間:4~10時間
レビュー時点のバージョン:1.04(旧バージョン)
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1周5分程度で多数のバッドエンドを繰り返しながらエンディングを集めていくアドベンチャー。高低差で耳がキーンとしそうなテンションの急上昇急降下と、劇毒のようでありサイダーのようでもあるスッキリ苦しいシナリオ展開が特徴的な作品。
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文章の物量がすごすぎる。普通ならその物量の多さは「同じテキストを何度も繰り返すゲームシステム」の場合はデメリットとなりうるんだけど、このゲームは一切ダレること無く楽しめる。これは「同じエンディングを何度も見せない」ためのシステム的な配慮の細かさや文章自体に読み進めたくなる魅力のあるシナリオ等が絶妙なバランスで存在していることが理由にあるわけで、もしかしてこのゲームは「奇跡のバランスで作られた作品」では?
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あえて気になる点を挙げるとするならば「シナリオ上重要なエンディングがヒントを読まないと中々たどり着きづらい」こと。ここまでたどり着いたプレイヤーさんとそうでないプレイヤーさんでこのゲームの評価は大きく違うと思うけど、肝心の重要なエンディングへ到達したプレイヤーさんはそれほど多くなさそう。
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もうすこし、答えそのものズバリを書いたヒントじゃない「エンディングへの誘導」があったら更に良い作品になっていたかも。
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ドクドクゥ~~~~~なカナカーナカナカナかわいいです(*´Д`*)
009:みかど出現
作者:zabumaru
プレイ時間:2~5時間
レビュー時点のバージョン:1.00(旧バージョン)
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多数vs多数で戦うクォータービュー型シミュレーションRPG。メインの数人だけプレイヤー操作で残りは自動だったり、キャラの管理は装備だけ見ていればいいなど、操作はシンプル。だが逆に装備の組み合わせや自動キャラの移動方向制御だったり、凝り出すと止まらない一面もある奥深いゲーム。
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シナリオ・細かいシステムこそ違えどゲームの大筋は過去作品と全く同じで、「新しい作品」を作ったというよりは「過去作品で本来作者さんがやりたかったことを皆に改めて見てもらう」リベンジ方向の作品なのかな、と思った。この「一度作った作品を投げっぱなしにしないで納得いくまで磨き上げる」精神は意外と持っていないクリエイターの方が多いので尊敬できる。
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過去作から弱点はほとんど無くなった感があるのだけど、唯一残っている弱点は「目新しさがない」こと。特に新たな長所が増えたということもなく、他のSRPGと差別化できている要素があるわけでもないので、どうしても没個性的なイメージは拭えない。
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今回の作品はこのままでも大丈夫。では次の作品ではどうする?というのが作者さんに与えられた新たな命題なのかもしれない。
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011:竜と黄金の梨と焼け残り
作者:スミスケ
プレイ時間:4,5時間
レビュー時点のバージョン:1.10(旧バージョン)
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数値の出てこない3DダンジョンRPG。現状HPはキャラの顔グラで判断、ステータスはフレーバーテキストで判断など、堅苦しさを可能な限り排除した雰囲気の中でダンジョン内を冒険していくゲーム。
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ゲーム内の全体に流れる「ユルさ」へのこだわりが好き。画風や数値の出てこないUIに始まり、プレイヤーを急かす要素が存在しないシステムやベースは意外に重いのに展開は重くなりすぎないシナリオなどなど、このゲームにしか出せない空気を作り出している。
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ステータスやゲームシステムに可能な限り数値を使いたくないという雰囲気作りはうまくいっていると思うのだけれど、あまりにも「数値を出さない」事に固執しすぎている感がある。それによってプレイヤーさんの掴みどころが無いというか、「自分は意味のあることを出来ているんだろうか?」という感じでゴールを見失わせる結果に繋がっている気がするなあ。
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別に「数値を出せばいい」という話ではないです。でも、「雰囲気で察しろ」の余地はもっと減らしたほうがいいのかもしれない。回復アイテムの効果とかアイテム分解・制作がどのような結果になるか等はもう少し明示したっていいんじゃないかな。プレイヤーさんは1~2個ならともかく、同時に何個も察することは出来ないと思う。
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012:不屈のスペラ
作者:テイク
プレイ時間:EDまで3時間 1周30分程度
レビュー時点のバージョン:7/15公開版(旧バージョン)
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カードゲームとローグライクゲームの混ざったRPG。プレイのたびにスタート地点・初期デッキから始まる中、道中のランダムイベントをクリアしながらデッキを構築してボスに挑む「アドリブ力」が試されるRPGという感じ。
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ローグライクゲームの弱点である「長時間の努力が一瞬の気の緩みですべて無になってしまったときの苦しみ」を極力軽減するカード・HP引き継ぎが素晴らしかった。特にルールに慣れていない序盤において、「真剣に取り組まなくてもいつかは自分にもクリアできそう」とプレイヤーさんに思わせるための良い取っ掛かりになりそう。
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ゲーム自体が「ローグライクやカードゲームに慣れてなさそうなプレイヤーさん」に向けていそうな雰囲気なのに、一部のルールに慣れてない人が混乱しそうな「直感に反する」部分があるのが気になった。例えばマップアイコンで「MPマーク3つ手札マーク1つ」表示されているものが実際には「MP1増手札2減」だったり、マヒの状態異常効果が「行動制限」じゃなくて「ダメージ倍増」だったりするあたりが混乱する。
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もしかしたらマヒに対する偏見はぽりの知識不足で、実はどこかの界隈だと別に何もおかしくないことなのかもしれない。でも「ゲームの世界で一般的に使われている用語」は「ゲームの世界で一般的に使われている効果」であったほうがとっつきやすいと思うし、そういう「一般的な知識」をベースに用語・アイコンを選定していくほうがプレイヤーさんに受け入れられやすいはず。
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016:めっちゃ危険なダンジョンだろうとみんなで潜れば怖くない
作者:Qbit
プレイ時間:4-6時間(テストプレイ時)
レビュー時点のバージョン:1.01(旧バージョン)
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多人数VS多人数わちゃわちゃバトルRPG。基本はオート戦闘で、キャラクターHPを管理しながらダンジョンの奥深くまで進んでいくものながら、デッキを構築してココぞというときに特殊効果のあるカードを使うことでプレイヤーさんが戦闘に介入していくタイプのゲーム。
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このゲーム、カードのデッキ制だったり、それにともなう戦闘コマンドの特殊さだったり、「他のゲームには見られない特殊ルールが多数ありながら説明もそんなに多くない」作りなのにもかかわらず、システムの難解さで詰まることはほとんど無くすんなり受け入れられる。「分かりやすいシステムを組み立てる」という点で職人技が光る作者さんというイメージ。
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個人的にはイベントの少なさが引っかかる感じ。「必要最小限のイベント構成にした」ということで意図的にこの作りにしたのかもしれないけど、複数のダンジョンに何回も潜ることを想定したゲームで、1ダンジョンでもダレてきちゃうイベントの少なさは欠点かな。
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シナリオイベントを用意するのも一手。それはこのゲームに不要だと思うのであれば、ダンジョンごとにプレイヤーさんの戦法が変わりそうなぐらい特徴的なイベントを準備するというのもマンネリ防止に役立つかも。
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018:ビャッコーギャモン
作者:こげ(ヒワイロボ)
プレイ時間:5~6時間
レビュー時点のバージョン:1.63
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往年のアドバンス時代を思い出すドットアニメーションと演出まみれの横スクロールアクション。3種類のランダムで与えられる武器を駆使しながら難易度の高いマップを踏破していくゲーム。
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ウディタは当然RPG制作ツールなので、横スクロールアクションを作るのはかなり大変。それでもしっかり違和感を感じない操作感のアクションを作ったこと、そして一般的なアクションでもなかなか面倒なので実装していない「すり抜け床の上下移動」や「倒した敵をマップ移動しても復帰させない」を当然のようにやっている強者。ドットや演出の強さも相まって、プレイ中は熱中して楽しめる作品だった。
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惜しいのは熱中を阻害しかねない「面倒な手間」要素がちらほらあったこと。例えば武器の回数制限だったり、上攻撃するために下を押さないといけない(上を押すと別機能が出てしまう)とか、自分と相手が同時に攻撃してたらだいたい打ち負ける仕様だったり、「イケイケ状態に水を差される」シーンはとても多かったように感じる。
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たぶんそもそも「ゲームの想定としてイケイケ状態になるもんじゃない」というところで自分と作者さんの意見が合わなかっただけのようにも思える。だから「直した方がいい」と言うつもりはないけど、そこを切り捨てずに多少歩み寄る方法はあったように思うのはわがままかな。
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019:その日暮らしの冒険補償
作者:ハッピーエンド過激派
プレイ時間:1~3時間
レビュー時点のバージョン:1.04(旧バージョン)
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経営ゲームとしては非常に異色な「ファンタジー世界で保険業を営む」という経営シミュレーション。怪我や死と隣り合わせな冒険者達の精査をして、「晴れているところには傘を売りつけ、雨が降りそうなところからは傘を引きあげてたくさん儲けよう」という業界の闇を追体験するとんでもないゲーム。
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「保険業は統計学であり数学が重要な仕事」と言われるけど、実際にこのゲームでそれが実感できる。とは言え実際に数学が出来ないとこのゲームは無理かと聞かれるとそうでもなく、あくまでゲーム内で提示される情報から機械的に判断するだけでも「それっぽく保険業ができている」ように見える。これはシステムと世界観が完全にマッチしているという意味で非常に素晴らしい出来では?
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気になったのは「『契約するまで』に重点を置きすぎて『契約後のパーティの行く末』に無頓着な感がある」こと。「パーティが具体的にいくらの補償を受けたのか」を知るすべがないので、「結局自分の契約の選択が正しかったのか」が分からない。
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「リザルト画面で簡易的に見れるのでこれで必要十分」という考え方もあるかもしれないけど、ビッグデータになる前の生データで見たほうが気持ち的には嬉しい感じがする。最新2~3件だけでもいいので、契約内容と結果を並べて見れたほうが「自分はちゃんと保険業やっている」という自信とモチベーションにつながる気がするなあ。
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022:SIBLINGS
作者:九乃頭虫(ここのずむし)
プレイ時間:20分~2時間(大きな個人差あり
レビュー時点のバージョン:1.0.2(旧バージョン)
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剣戟アクションゲームの中の一要素である「パリィ(回避)」に重点を置いたアクションゲーム。「ひたすらパリィして」→「相手の体勢を崩して」→「大技を決める」という瞬間の駆け引きをひたすら追い求めるシビれるゲーム。
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「量より密度」に全ての割合をかけたようなクオリティの高さがお見事。あまりに敵がバリエーション豊かにアニメーションするので、2Dアニメなのにリアリティを感じる作りであったり、BGMも1曲がひたすら続いているように勘違いするほどスムーズに入ってくるのによく聴くと細かく曲目が変わっているところであったり。
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(ぽりのプレイスキルの問題というのは前提にあるとして)特にラスボスは「難易度低減アイテム無しで本当にクリアできるの?」レベルで異常に難しい。かといって難易度低減アイテムを使うと初見一発クリアできちゃうぐらい異常に簡単すぎる。難易度が両極端すぎるイメージ。
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かと言ってここからアイテムなしの難易度を下げるのもアイテム有りの難易度を上げるのもなにか違う感じ。もし「違いの分かる人だけが遊んでくれればいい」という考え方でないのであれば「HPの減り方は通常通りだけど技のバリエーション少なめ(プレイヤーさんが見切りやすい)中間難易度」みたいなものがあれば更にいろんなプレイヤーさんが楽しめるのかも。
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023:Alkersas
作者:逃げ足
プレイ時間:2~3時間
レビュー時点のバージョン:1.02(旧バージョン)
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超シンプルに戦闘して強くなってダンジョンを攻略していくRPG。シンプルながらアイテムの種類もスキルの種類もモンスターの種類も戦闘構成も細かく設定されていて短いプレイ時間中でも物量に圧倒されることうけおい。
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RPGの基礎的な部分に要素を限定しているぶん、特殊なシステムでお茶を濁すこと無く、土台をしっかり作り上げている印象。このタイプのゲームは得てして「代わり映えしない」とか「すぐ飽きそう」という評価を受けがちだけど、全くそんな感じを受けること無く、難易度の増加具合や新しいアイテムの増え方で常に新鮮さを与えている。すごくどっしりとした安定感のあるゲームだ。
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残念だったのは「説明文章を書き連ねるだけで説明したつもりになっている」ところ。作者さんは当然全ての世界観や全モンスターの傾向と対策を丸暗記しているから大した説明は不要だけど、プレイヤーさんはもちろん知識0からのスタートになるわけで、最初にやることは「説明書」と「本棚の文章」の丸暗記になる。
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まあ、「一つ残らず丸暗記しなくちゃ勝てないほどシビアな難易度」ってわけじゃないのが救いではあるけど。それでも独りよがりにならないためにも「わかりやすい説明の仕方を考えてみる」「わかりやすく説明できなさそうならいっそのことその要素ごと入れない」みたいな視点は持ってみたほうがいいかもね。
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025:コトノリ
作者:はるしし
プレイ時間:30分~1時間
レビュー時点のバージョン:1.04
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クイズの皮を被ったパズルゲーム。複数の答えがあるタイプのクイズを解いていくだけなんですが、「一度使った文字は二度使えない」という条件のもとにクイズを解いていくため、「クイズとしては正解なんだけど一度使った文字があるからダメ」というもどかしさを多々味わうゲーム。
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パズルとして緻密に組まれたネタはお見事。「単純にクイズを解くだけだと絶対すべてを埋めることはできない」ように巧妙に文字選定が行われていて、「何なら検索して答えを調べちゃったあとでも楽しい」というクイズの弱点をパズルできれいにカバーした良ハイブリッド作品。
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綿密に組まれた問題構成故に問題を量産できないというのは承知の上なんだけど、それでも問題構成の巧妙さの代償がこの問題数の少なさであるなら割に合ってない気もしちゃった。ゲームのルールを理解してようやく温まってきたなーという段階で終わっちゃうのはとても惜しい。
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個人的にあったら完璧だと思ったのが「詰むこと・容易にクリアできちゃうことはご愛嬌でとにかくランダムクイズが出てくるモード」。温まった頭をキープできるネタがあれば更に長時間熱中して楽しめたと思うなあ。
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026:マインのパズルでバトル
作者:denden
プレイ時間:30分~(個人差大)
レビュー時点のバージョン:7/17公開版(旧バージョン)
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マインスイーパーとRPGを足し合わせたゲーム。みなさんおなじみのマインスイーパーをベースにしながら、HPやコンボシステムなどRPG的システムを「ちょい足し」することによって新しいプレイ感覚を生み出している安定感と新鮮さを兼ね合わせた作品。
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何度もやり尽くしたマインスイーパーのプレイ感はそのままながら、コンボ・HPの存在によって「数回ならミスしてもいいからとにかく早解きする」という全く違うゲーム性を提供しているのが非常に斬新。そもそも「操作性に違和感を感じないマインスイーパーをウディタで完全再現」している時点で技術力が素晴らしい作者さんでありながら、そこに慢心せずに斬新さにも全力投球できるという点で才能を感じさせる作者さんだと思った。
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唯一気になったのは「まだ最後まで終わっていないマインスイーパーが途中で強制終了する」というおあずけを食らうシーンが多々あること。「あとちょっとでクリアだったのに……」という気分になるので、僅かではあるけど確実にストレスだったような気がする。
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もし自分が作るならば「敵のHPが0になったあともマインスイーパー終了まで引き続きプレイできてボーナスが貰える(やめたければいつでもやめてOK)」みたいなシステムを入れていたかも。
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029:女神の迷宮
作者:Karukus
プレイ時間:6~9時間
レビュー時点のバージョン:1.0.18(旧バージョン)
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自動生成ダンジョンをパロディとともに駆け抜けるRPG。とは言ってもパロディはエッセンス程度のもので(某みょんなお嬢様からは目を逸らしながら)土台はしっかり作られているので、元ネタが分からなくても正統派RPGとして楽しんで全く問題ないゲーム
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大量に装備を手に入れ、大量に取捨選択を繰り返しながら先へ進んでいくというところにかなり重点が置かれていて思い切りの良さを感じる。この「ステータスとにらめっこしながら、どの装備を使うといいか悩む時間」を思う存分楽しめる作り。
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自動生成ダンジョンは「マップの見栄えが同じで飽きるということは無い」という長所こそあるけど、逆に「どれだけ階段を下りても雰囲気に代わり映えが無いので飽きる」という短所も併せ持っている諸刃の剣。このゲームにおいては数十階のダンジョンを踏破する間ずっと(マップチップの差異以外)同じアルゴリズムの自動生成ダンジョンなので、短所側の印象が強くなってしまっている。
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自動生成自体を悪く言っているつもりはなく、あくまで「自動生成だけに頼らずにオリジナルのマップやイベントを混ぜると飽きることのない良いエッセンスとなる」という話。もしあまりイベントを追加することがこのゲームに合わないというのであれば、マップはオリジナル固定で宝箱だけ自動生成ぐらいの比率でも良かったかも。
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030:STARCHILD
作者:朝倉くもり
プレイ時間:2~3時間
レビュー時点のバージョン:1.001(旧バージョン)
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「敵もいなければジャンプ以外の特殊アクションもないなんてとても簡単なゲームじゃないか」と誰もが第一印象で思ったであろう横スクロールアクションであり、その第一印象が間違いであったとすぐに後悔することになるであろう横スクロールアクション。崖際ギリギリジャンプ・空中小ジャンプ・リフトに乗って移動・1ミスの溶岩や偏差射撃ウマすぎの砲台をかいくぐって進んでいく高難易度ゲーム。
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シンプルなデザインとシナリオながら、意外に(?)システムがしっかり作られている。管理が大変な「リフトに乗って移動する」、その中でも「重力に反して上下に移動する」というのは実際のところかなり実装が難しいのだけど、サラッとやっている隠れた実力者。
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「操作のお試しもさせてもらえない状況で性能差のあるキャラから1体選ばされてその後変更不可」というのは地味にキツい。操作がゆっくりなキャラを「かんたん」と表示しているけど、ゆっくりすぎて逆に空中制動が難しいと感じたのでセーブデータ消してやり直しするハメになった。
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難しいゲームをプレイヤーさんの上達で乗り越えさせるタイプのゲームである以上、「上達するまで」のゲーム側での補助はとにかく過剰にあるべきかな。例えば何回でもキャラ変更可能で、各システム・テクニックの練習ステージをふんだんに準備してくれるとより楽しめたかも。
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031:オチル
作者:ニモチ
プレイ時間:5~10分
レビュー時点のバージョン:1.00
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空からパラシュート無しでスカイダイビングするアクションゲーム。昨今のアクションゲームでよくある「高所から転落しても水場に落ちればノーダメージ」というゲームの中で「落ちながら水場を探す」シーンだけを抽出したような作品。
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「落ちる」ことのみに特化してスパッと遊べる思い切りの良い短さが好き。とりあえず言えることは「このレビュー文を読む時間よりプレイ時間のほうが短いからとりあえずやってみよう」ということだけ。
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とは言え、本当に「落ちる」ことしかない以上、そこに関しては手を抜かずにこだわって作ってほしかったなあ。高度表記がkmだったりマップが単調だったりする部分はどうしても「作者さんがサボった雰囲気」が露呈している感じがある。
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横着ってバレないようにやることが大切。「ここを手抜きしたら絶対にバレる」と思う場所をこだわって、「ここはある程度なあなあでもバレへんか」と思う場所を簡易的にする、そんなバランス感覚が大切。……まあそもそも横着しないのが一番なんだけどね。
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032:アドリブ・ロール
作者:Masaqq(マサック)
プレイ時間:90分~
レビュー時点のバージョン:1.04(旧バージョン)
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王道RPGをアドリブで映画撮影する、全然王道じゃないシステムのRPG。HPがそのまま「自ターンで使えるコマンドの数」に直結し、「ピンチになると行動すらできなくなる」というシビアな管理を求められるシステムによって、通常戦闘ですら気を抜くことの出来ないその場その場のアドリブ力が求められるゲーム。
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1周の短さも相まって「途中で何も起こらずにダレる」という瞬間が全く存在しない、言ってしまえば「RPGのメインディッシュをずっと食べ続けることのできるゲーム」という作りだったのが好き。そしてそのシナリオがランダム生成なので「周回してもメインディッシュを食べ飽きることもない」という魅力が大きい作品だった。
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個人的に惜しいのは「別に映画撮影という設定が活きる場面がない」「別にラノベ風脚本という設定が活きる場面がない」こと。その割にそれぞれちゃんと手間のかかった作りのせいで細部までこだわることが出来ず、最終的に俯瞰して見ると「全部中途半端」感がしちゃう。
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別に意味のあるものしか入れちゃダメと言いたいわけじゃなくて、何か新要素を入れたいときに「どのぐらい制作時間がかかって、どのぐらいゲームを魅力的にするか?」を事前にちゃんと見積る必要があるということ。映画なりゲーム制作なり「監督」をするときにとても重要なスキルなので、是非覚えていこう。
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035:睡蓮
作者:リュース
プレイ時間:15分
レビュー時点のバージョン:1.23
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おそらく実在の大学をモデルにした「広瀬大学」の学園祭の一日を切り取ったシンプルなノベルゲーム。そういえばこのノベルゲーム、作中に「この話はフィクションです」的な注釈が一回も出てこないんですよね。つまりそういうことなのかな。
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大学一年の学園祭の「絶妙に何も特別なことが起こらない」リアルな空気感が好き。そしてこの平凡な空気感でさえ、「ここ数年は望んでも手に入らなかった空気感」であると考えると更に感慨深いものがある。新しいタイプのノスタルジーを感じさせてくれる良い作品。
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唯一引っかかっているのが「ずっと一本道なのに中盤に1回だけ突然出てくる選択肢」。選択によって話の展開が変わるわけでもなく、何ならこの選択肢の周辺だけ話が大きく脱線しているという残念シーン。もしかしてこの選択肢は「一切操作が無いまま終わる作品をゲームコンテストに出すのはいかがなものか?」と思ってしまった作者さんの「自分に言い訳をするための選択肢」なのでは?と思った。
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正直なことを言うなら、もし本当に選択肢すらなく一本道のノベルだったときは「一切操作が無いまま終わる作品をゲームコンテストに出すのはいかがなものか?」的なことをレビューに書いていた可能性は否定できない。それでも、だからこそ、誰になんと思われようと、後ろを振り返らず前を向いて貫き通して欲しかった。そんなことも少し思ってしまったわけです。おじさんのわがままだね。
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038:~罠~狙われた仔共たち・・
作者:零八識
プレイ時間:大よその目安で二時間から三時間位。
レビュー時点のバージョン:ver-0-02
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桁違いの美麗グラフィックと桁違いのステータスインフレで魅せるRPG。ゲームの構造としては基本システムのRPGなんだけど、他の基本システムとは第一印象から完全に異なるマップチップとステータスの大きさに驚愕する作り。
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この作者さんの作る今までのゲームに対してずっと「言葉にできないときめきのような魅力」を感じていたんだけど、この作品にも変わらず存在している。多分だけど、マップチップの描き込みにこだわりつつもマップチップの境界線を露骨に残していたり、戦闘バランスをめちゃくちゃ大味な作りにしながらもゲームとして成り立つ程度に壊れていないものだったり、「支離滅裂さは無いけど確実に狂気を感じる歪さ」が魅力の要因の一つなのかな、と思った。
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今回の作品には「言葉にできないときめきのような魅力」を打ち消しかねないほどの「代わり映えのなさによる飽き」を感じそうな単調な作りだった事が気になった。マップチップが綺麗なのにマップ構成がずっと単調だったり小さかったり、ボス戦は行動不能になる状態異常を食らわないようにする運ゲー、ザコ戦が作業感強すぎる押しっぱなしゲーだったりした部分はとても惜しい。
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これは作者さんの実力不足というよりは、単純にスケジュール管理不足とかに起因するものだと思うのだけど。それでもせっかく時間と労力をかけないと作れないゲームを、時間と労力不足で完全じゃない状態で出してしまうというのはとてつもなくもったいない。
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048:アリアとウィヴィと魔女の塔
作者:バル
プレイ時間:3時間~5時間
レビュー時点のバージョン:1.00(旧バージョン)
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ウディコン界隈では未だ現役のWWAタイプ(約25年前にとある個人制作者様の作ったゲームを元にした、マップ・戦闘方式に特徴があるRPG)のゲーム。戦闘に一切のランダム要素がなく、「どの敵を、そしてどのアイテムを順番に取っていくのが最も効率がいいか」を追い求めるパズルに近いRPG。
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このジャンルのゲームとして本家の大まかな流れを変えることなく、「推定ダメージ値が全モンスターの足元に表示」だったり「どこまでステータスを上げれば状況が変わるかをリアルタイムに表示」したり、リスペクトを持ちながらユーザビリティについて考えられていたのは好印象。
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WWAタイプのRPGと言えば確かに扉と鍵がゲームの肝かもしれないけど、それにしても扉の数がマップ上にある鍵の数より遥かに多すぎる。作者さんの想定した正解ルートから1回でもミスしたらもう取り返すことは不可能なんだろうなーという絶望感が強い。
<???>
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「WWA」というジャンルで差別化を図ろうとすると、こういう方向性に行くしか無いのであろうことも理解はできる。個人的には「状況を打開するためのオーブ」という概念に光るものを感じたので、もしかしたらジャンルに囚われずに「鍵とオーブをやりくりしてゴールまで向かう戦闘無しのパズル」なんてものでも良かったのかも。
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051:Know Your Enemy, Know Yourself.
作者:morimori
プレイ時間:1プレイ2時間~3時間
レビュー時点のバージョン:1.1.3
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アイテムや魔法の効果が分からない、特殊効果の発動条件も不明なので「むやみに使って効果を確かめる」すら出来ないなか、「効果を知る」ことがメインかつ最終目的という「ゲーム序盤の試行錯誤部分」だけを濃縮して楽しめるRPG。
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令和にキャラクターが「@」表示のRPGを見られるなんて思わなかった。見た目を可能な限りシンプル化したうえで、RPGの真髄部分だけを楽しめるストイックな作品。
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個人的には「こんなに操作ボタン多くなくてもいいんじゃない?」という感想。キャラ選択・魔法アイテム選択がそれぞれ個別に選択して決定する、そしてそのために合計10キー以上使用キーが存在するのは「細かく指定できる便利さ」より「全部覚えなくちゃいけない不便さ」のほうが強いなあ。
<???>
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例えばアイテム選択は「切替」と「決定」だけで、「使う」か「捨てる」かは決定後の選択肢でもそんなにプレイ体験は損なわないはず。キャラ選択とかは「切替」ボタン1つだけで即切り替えだったとしても影響ないのでは。そんな感じで「覚えるべきことが増えると逆に不便になり得る」ということを考えてほしいなあ。
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053:亡者の行軍 Invasion from OtherSide
作者:雪見大介
プレイ時間:1~3時間
レビュー時点のバージョン:1.15(旧バージョン)
:
和風ゾンビパニックもの。ショッピングモールでなく山間の村に閉じ込められた一般市民(一般的な能力とは言っていない)が生き抜いてパニックの原因を突き止める基本システム系RPG。
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ウディタをめちゃくちゃ深く理解した人が作ったゲームという感想。基本システムベースながら所持金システムを「資材」に流用してオリジナルクラフト要素を作っていたり、イベントごとにマップチップ・ピクチャを使い分けてイベントシーンの演出を豪華にしていたり、細かいところに職人芸が光るゲームだと思った。
:
できること・行ける場所は多そうな感触があるのにもかかわらず、そのほとんどが「レベル上げ作業」をしないとマトモにできなさそう。しかもレベル上げに必要な戦闘回数がそこそこ多めなのも相まって、「なにか出来そうだけど何も出来ない」お預けをかなり長い時間食らってしまう作り。
<???>
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RPGである以上、「レベル上げすればできることが増える」というルーチン自体は何も間違っていないんだけど、そうじゃないイベント(プレイの仕方によっては低レベルでも問題なく進められるイベント)もいくつか用意しておいたほうが「お預け」感はかなり少なくなるかと。
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054:SICS(シックス)~特殊事件対策係~
作者:お魚UFO
プレイ時間:1~2時間
レビュー時点のバージョン:1.15
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ゾンビもの2Dガンアクションゲーム。武器+銃弾現地調達で迫りくる敵を倒したり避けたりしながら廃村の謎を解明していく。ただ「ゾンビもの」とは言いつつ、そんなにグロテスクなシーンは無い上に、敵もほとんどUMA(未確認動物)なのでホラー感はごくわずかで安心。
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このタイプのゲームでよくあるのが「現地調達する銃の弾や回復アイテムが心もとなすぎて結局使えない」だと思うんだけど、このゲームは全くそのようなこともなく、「じゃんじゃん撃っていってくださいね」と言わんばかりの大盤振る舞いで、途中でダレること無く爽快感あるプレイが出来たのが好印象。ゲームの雰囲気次第でもあるんだけど、やっぱり銃って撃ってなんぼなんだよねー。
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力を入れているシーン、システムがあるのは一目見て分かる作りだったんだけど、その逆の「特に力を入れなかったんだろうなー」というシーンも露骨に見えちゃっていたのが残念ポイント。廃屋のおばさん絡みのシーンはもっと深掘りしたら確実に面白くなりそうなのに、特に何も起こらず終わって拍子抜けだったり、ゲームオーバー時の演出がただ一文出て終わりだったり。
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まあ、悪い点として指摘はしたんだけど、正直これはそんなに悪いことだとは思ってない。個人制作ってそういうものだし。むしろやるべきことは「力を入れたいシーン」でめちゃくちゃ圧巻の場面を作ってそっちの印象に強く残すこと。
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056:棺ふる海
作者:うどんのたまご
プレイ時間:20分~(個人差あり)
レビュー時点のバージョン:1.02(旧バージョン)
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ゲームブック風味の「ソロジャーナル」と呼ばれるアナログゲームジャンル。ゲームが用意した物語を楽しむのではなく、ゲームの指示・補助に従いながら「プレイヤーさんが物語を新しく作り上げる」遊び。
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この作品はいわゆる一般的な「ゲーム」とは毛色が違うので、「ゲーム作品で競い合うコンテスト」という場所であることを考えるとコンテストの趣旨に合っていないようにも見えるけど、それでも「ウディコン」という場に出したことは正解だったんじゃないかと思える。ウディコンに来ている方ってやっぱり他よりも「ゲームを作った方・作りたいと強く思っている方」の割合が多いハズだし、そんなところに「自由にシナリオを好きなだけ考えていい媒体」を用意されたら、どんなゲームよりハマる人が出てくることも容易に想像できる。これは他の「ゲーム」とは異なるけど、どんなゲームよりもゲームしている。
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これが紙の物理書籍であったなら完璧な100点の作品だったと思うんだけど、物理書籍で100点のものをパソコンゲームにそのまま持ってきても必ずしも100点とは限らない、というのがどうしても気になった部分。語弊のある書き方になってしまうことを覚悟の上で書くのであれば、「PDFでも出来そうなことをわざわざ起動の遅い・容量の重いウディタでやる意味とは?」みたいなものをどうしても気にしてしまう。
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物理書籍ではなくパソコンゲームでやる、という時に何かパソコンゲームの優位性を活かしたアイデアがあれば良かった、と思ってしまうことは技術者的思想を持ったぽりの思い上がりなのかな?それでも「作ったシナリオのネット共有」「ゲーム側でランダムにキーワードを出してシナリオ作成時の指針にできる」「DLC的拡張シナリオ」みたいに物理書籍で提供できない楽しみ方を作り出す、という可能性もあったような気がしてならないんだよね。
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あ、こっそりと自分が初見プレイ時に作ったジャーナルを公開します。途中までよくわからないままテキトーに文章を書き連ねていた割には綺麗に締まった気がするけどどうかな?