背伸びした視点の日々

背伸びした視点の日々 since 2008/11/29〜

第4回WOLF RPGエディターコンテストレビュー31〜60

第4回WOLF RPGエディターコンテストの作品をプレイしていて思ったことをレビューします。
※レビュー内の記号の意味についてはトップページを御覧ください

【No.01】〜【No.30】
【No.31】〜【No.60】←いまここ
【No.61】〜【No.74】

31 念呪人形

良い感じに狂気の見えるゲーム。人形師が人形に自己投影してるうちに病んじゃうとかかわいいよねって誰かが言ってた
×システム上、詰みになりやすいのにセーブ1箇所はよろしくない。それ以前にカーソルと人形キーで両手がキーボードにあるのにセーブロードがマウスというのもよろしくない
使ってないキー(数字キーとか良さそう)をセーブロードに割り当てて、あと複数セーブがあれば良かったかも

33 桃太郎

プレイ中、特にストレスらしいストレスを感じなかった。難易度もそれほど低くなくかといって文句をいうほど高くもなく。きっちりと綺麗に整えられたゲーム、って印象。
×本編はすごく良かったのにタイトル画面が手抜きだとプレイ前にやる気が落ちる
本で一番見た目をこだわるべきは表紙だし、ゲームで一番こだわるべきはタイトル。つまり第一印象超大事ね。

34 ダンジョンズ・オブ・アドヴェンチャラーズ!

ひわい!えっち!すけべ!へんたい!
×テキストの文字サイズが小さすぎる。見にくいってだけじゃなくて一息で読めない文章量が出てくるからテンポも結構悪い。
会話文の場合、一息で読める文章量の限界は4〜5行ぐらいじゃないかな。

35 おしーておして

往年の名作である倉庫の整理をする人のゲームにいくつか新要素を足した感じ。安心と斬新を足して2で割ってある作りかな。
×肩書き(何のためにあるかよくわからなかった)とかダミー(すぐ違いがわかるうえに、役目はただのSボタン代行)とかメタネタ(作ってる人以外には何も面白く無い)とか「よくわからない無駄」が多かった印象
パズルゲームの場合、パズル攻略に関係ない要素をたくさん入れると気が散ってしまうしよろしくない

36 クリッククエスト

シンプルですし、何度も遊ばせるランダムマップに加え同じマップをやり直せるシード値制と、「空いた時間にさっとやり込む」という異色のプレイスタイルができるゲームだと思います。
レトロチックなドット絵による雰囲気もよく、プレイしていて気持ちよかったです。
気になるところといえば、難易度「かんたん」でもモンスター&イベントの密度が高く、こちらが操作しても優先順位の関係上行く場所がだいたい同じで「自分で動かしてる気分にならない」ことでしょうか。少なくとも「かんたん」は原っぱを多めにして「自分が狙った場所へ誘導しやすい」マップになればさらに面白いと思います。

37 アーマードエンフォーサーズ

「悪を倒すため!」→「いや一番悪用してるのお前だろ」的なB級映画っぽさが好き。
×イベントこそあれど、やってることは最初からずっと同じで、武装もあまり特色ないから戦略なんてものもなくて途中でダレ気味。
極論言うと、戦闘いらないんじゃ? ……いや正確には「RPGシステムの戦闘である必要がない」んじゃないかな。魔法みたいに特色と戦略がある戦闘ならともかく、硝煙のにおいしかしないコマンドだとRPG戦闘は映えないよね。

38 暗闇の迷宮

難易度自由選択・成長スタイル自由だったり、オート戦闘クリックしてればおおかたなんとかなったり、でもイザという時なんとかならなかったり、かなり広い層のプレイヤーさんを想定して作られたんだろうな、というのがよくわかります。
毎度のことながらグラフィックも高水準ですし、プレイ時間がもう少し長ければじゅうぶんお金を払う価値があると思います。
でも、(本当にわがままレベルの指摘になってしまいますが)システムとグラフィックがよくできてるが故に、シナリオがいまいち薄味な印象がありました。これも本来なら文句を言うほどの悪さというわけでなく、「他が非常に良いためにどうしてもシステマティックさが目立ってしまった」ぐらいの事なのですが。

39 洞窟脱出

ダークな雰囲気がよく出ててかっこいい。元ネタのゲームプレイしたこと無いんだけど、それでも「こんな感じなんだろうなあ」と思いながら楽しんでた
×視点の回転するスピードが早くてときどきどこ向いてるか分からなくなる
視点を回転する時にちょっとウエイトを入れたりSEを入れるといいかも。

40 やりこみくん戦場

やりたいことは分かった。そしてそれがきちんと形にできてればなかなか面白そうだということも。
×まず、明確に見て分かるダメなところは「マップ」だよね。「レイヤー」について勉強してみよう。
本屋さんで「WOLF RPGエディターではじめるゲーム制作」を買ってみよう。マップの作り方を詳しく知ることができるぞ。あとなんかぽりの作ったゲームも遊べるんだって(せんでん)

41 MOONCHILD

顔グラがかわいいです。それにシナリオもなんだか絵本チックでほんわかしてる
×仲間がいること前提の難易度なのに仲間の存在ノーヒントだったり、ダンジョンのマップのつなぎ目がものすごくわかりづらかったり(特に洞窟)で、全体的に不親切。
気づかないとほぼ詰み確定だし、しっかりイベント中で存在を匂わせたほうがいい(というか強制加入でもいいんじゃ)

43 悠遠物語〜空の大陸とアイテム屋さん〜

一枚絵・ドット絵・エフェクトなどのこだわりも高水準、Tipsやキーコンフィグの丁寧さ、ノベルゲーム並みのログやスキップ機能などのガチっぷりはかなり高いです。
今回のコンテストでは、「レビューのため、どんなゲームもある程度進んだらそこで一時中断」するはずだったのですが、このゲームはやめどきが見つからなかったぐらいです。
このゲームに特に目立った弱点はありませんでしたが、しいて気になった場所を挙げると、「店経営中のLive画面に倍速ボタンが欲しかった(あの画面は『入り口からレジまでの道中が売上に影響する経営ゲーム』のみで映える要素かなあ)」ことと「攻撃後のキャラのウェイトが意外と長かった(割とコンボをつなげ辛い)」ことぐらいかと。

44 ウルファール飛ばし

まごうことなきバカゲーなんだけど、「バカ」の一言で済ますにはもったいないほどのセンスがあって正直悔しいです。
まず物理演算+当たり判定のシステムをこれだけ低負荷で作る技術力、そしてそれだけの力を持ちながら「弾幕はウルファールさんにしよう」と考えたその発想力、そしてそのウルファールさんにarctanを使って「角度もちゃんと考慮したリアルな弾道にしよう」と考えたそのテクニック。これだけシンプルで短いゲームなのに作者さんの才能を見せつけられた感じです。ぜひこの作者さんのガチ作品を見てみたいです。

45 夢泡崩し

マウスのみでプレイできるゲームとしてはなかなかにシステムが作られててハマり具合は高いです。
落ち物ゲームだとなかなかに初心者の敷居が高い連鎖も、特に考えなくてもある程度出来たり、そもそも2連鎖ぐらい出来ればじゅうぶんなシステムのため、それほどハードルが高くないのも特徴。
ただ、現在の制限時間の短さとアイテムの出現率の高さが相まって、一番確実に高得点をとれる方法が「限界まで右クリックしてボム」になってしまうのが残念。(2プレイ目でその戦法でLv300近くまで到達しました)もっと制限時間を長めにとって、その代わりアイテムを減らして考える時間を十分にもたせたほうがパズルとして面白いのかもなあ、と思いました。

46 ミニゲーム集 [RPG&脱出ゲーム]

ところどころ光るセンスはあった。個人的に「Porice & thief」の縦長視点とか、この作者さんはちゃんと勉強するとすごく化ける気がする。
×「で、つまり何を言いたいの?」というシナリオが多かった
「この作品ではみんなに何を伝えたいか」、「伝えたいことを効果的に伝えるにはどうするか」を考えて作ってみるといいかも。

47 サマバケ

世にも珍しい昼ホラー。ひぐらしとかじゃなくミンミンゼミのなく頃に学校でビックリ系探索は新感覚ですよ
×かなり近づいてから突然出てくる鬼とか、ノーヒントの理由なし一発ゲームオーバーのワナが多くて全体的に理不尽。
即ゲームオーバーにするのをやめるか、もしくはこの方向性で行くなら最低限ロードはボタン1発でできるスマートさがないと厳しい

48 BRAVE SWORD

武器のランクアップや戦闘における「コマンダー」の存在など、斬新な要素を積極的に吸収しようとしている
×1マップに登場する敵の種類が少ないのに敵の数はそれなりに多くてワンパターン
敵の種類を増やすかマップを狭くするか(こっちはあまりよろしくない最終手段だけど)して「敵の密度」を上げてみては?

49 回覧板

全体的にシュール、というか突飛というか。
×シュールで済ますにはちょっといただけないレベルの「わけのわからなさ」「不便さ」があって混乱する
「オープニングゲーム」とか「なんかいかにも子供が決めたみたいな無駄に高いHPの長老」とかの要素をもう一度「これはプレイヤーさんにとって楽しいと感じるか?」と考えてみよう

50 10英雄伝

キャラが10いて、それぞれの技にアクションコマンドがあってバリエーションがある
×アクションコマンドがいちいちテンポを悪くしている感じ。
楽しいけど元々かなり手間のかかる要素であるコマンドをゲームに組み込むには、元の戦闘システムがかなりテンポ良くないと厳しいのかも。

51 COSMOSカードゲーム

リングというオリジナルルールを採用して、しかもそれがゲームの破綻を起こさずにむしろ戦略性をきちんと上げていたり、COM対戦を行うときはAIの組みづらさで実装を敬遠してしまいがちな補助カードを多種用意した上でちゃんとAIが活用してきたり、完成度の高さに磨きがかかっていると思いました。相手がこっちのリング回転させて1ターンキルしてきたときは驚いた。
気になったのは序盤の拡張性の低さ。カードゲームで楽しいのはデッキを組んでる時間なわけで、最初にもらえるのが1デッキ分ぴったりゆえデッキ編成ができるようになるまですごく時間がかかるのはプレイヤーさんにとってあまり嬉しくないんじゃないかと思います。最初の時点で1.5〜2デッキぶんぐらいカードもらえて、1バトル勝つごとに10〜20枚ぐらいもらってもいいんじゃないかな。

52 魔獣の塔

無駄な新要素とかは存在せず、新規に覚えなくてはならない要素なんかもないため、とにかく気楽に遊べる点はいい。事あるごとに塔から出るシステムだけど、その前提で階段の位置が考えられてるから、既に攻略した階層を下りることにためらいはない。
×ステータス強化で毎回カーソルが戻るせいで連打できなかったり、装備中のアイテムが鍛冶できないため毎度装備を外す必要があったり、「肝心なところで不便」な印象。
あとはクエスト同時受諾不可とか「一番よく使うはずのマップ機能がメニューの一番遠いところにある」とかも。「しなくてもいいキー操作」をしていないかをテストプレイ時にしつこく探しだすクセをつけとくといいね。

53 島の一日

オープニングから最後までずっと同じ画面で進行するという発想は面白い
×でも「ずっと2種類の敵と戦うだけ」という単純なシステムゆえ、同じ画面という仕組みも「実はただ手抜きしたかっただけでしょ?」と邪推してしまう
6×6マスなら敵も36種類(通行不可チップがあるから実際は少ないけど)用意して全マスで登場が違うとかあったら面白そう。こだわるところは徹底的にこだわってると、それ以外の場所も「あ、これも手抜きじゃなくてそういう演出なのかな」って思えてくるからオススメ。

54 マイグラフトン

なんか終始雰囲気が独特。ミステリアスとノスタルジックとファンタジックを足して3で割ったような興味深い世界観。
×わざとミスしなきゃやり直しにならないし、積み上げ系でウリになるような重力計算をしてるわけでなく、一定高度で揺れる以外の主たるアニメーションもなく、やることもただ1つとなると、手厳しい言い方だけど自分は正直これを「ゲーム」と呼びたくない。
インタラクティブ・ミュージックビデオ?(すごく適当) みんなに言えることなんだけど、「これゲームにする必要あるんですか?Flashムービーでいいじゃないですか」って思う作品がたまにあって、こういう人見ると自分で自分の可能性を狭めてるようで悲しい。「ウディタDLしたんだからこれ以外使っちゃダメなんだ」とか思わないでいろんなソフト触ってみてほしいなあ。
(予め予防線はっておくけど、別にFlashやゲームを卑下してるとかそういう意図は全く無くて、「自分の一番推したい場所を上手く引き出せる媒体はゲーム以外にもいっぱいあるんじゃないだろうか」という話の一例を出しただけだからね?)

55 Rebel Afraid Damn

キャラの話し方の妙な言い回しとか、ちょっと独特な会話テンポとか、荒削りながら可能性を感じる。そのちょっと感じる違和感に似た何かが普通のシステムメインのこのRPGに「普通じゃない何か」を運んできて印象に残る。
×シンボルエンカウントの長所って「避けようと思えば戦闘避けれる」ことで、超速で迫ってきて避けられないモンスターがいるというのは長所殺しかと。しかもダンジョンは突然ランダムエンカウントで統一性がないし。
今日よく使われるシステムというのはそれぞれに長所・短所を持ってるわけで、きちんと吟味した上で選択してほしいなあ。

56 その男、魔王につき

クオータービュー、しかも奥行きがちゃんと考慮されて描画されてることにびっくりしました。しかも高低差+Z軸計算などを頻繁にやっているであろうにぬるぬる動くこともびっくり。もしこれで更にこのシステムが描画+戦闘処理を柔軟に行なってくれる汎用性の高いものであったのなら、是非ご教授お願いしますなんでもしますって言ってしまいそうなぐらい興味深いです。
ただ、システムがすごいぶん、いちいち面倒なところが多いのが目立っていたような気がします。行動選択メニューが毎回左上端だったり、(カーソル移動量がデカい)毎回出撃キャラを選択しなくてはならないところ(初期状態で全員とりあえず出撃状態になってたほうが楽だったかな)とかね。そういうちょっとしたところが良ければかなり高評価だったはずだけに惜しい。

57 ファミリア

一見すると面倒そうなんだけど、いざプレイしてみるとすごく単純で、スピード撃破するためにすごく頭をひねるパズルゲーだと思った。パズルといっても特にこだわりがない場合は魔王娘のタイプだけ気にして一点突破でなんとかなるし、かなり出来がいいと思う。
×戦闘間隔が長めにとられてるとはいえ、「戦闘から逃走」コマンドは欲しいところ。1戦1戦がそれなりに長いため宝箱回収までの道のりで戦闘があると面倒かな。
さらに理想を言えば「逃走」よりも「エンカウントしなくなる装備orコマンド」のほうが便利かも?

58 戦友(ともだち)100人できるかな?

オープニングを見る→「どうせ王様をその能力で拉致していくんだろうなー」→「それ以上だったー!?」から始まる終始超展開の勢いに圧倒されるゲームです。
本当に一発ネタなんだけど、その勢いを最後まで持たせるためのネタの配分(最初の戦友とか)やネタの凝りよう(エンディングとか)はかなり考えられていると思います。そのためか「何故面白いか考える暇を与えない面白さ」というギャグの理想形に近いかたちが作られてるんじゃないかな、これ。

59 タイピンちゅ〜!

漢字にルビがふられていたり、コンフィグでかなり細かいところまで変更できたり、「いろんな人が遊ぶことを考えた優しさ」はぶっちぎり。そのおかげで「難易度初級+狭いで音ゲーもどきになる」とか遊び自体の幅もけっこう大きい。
×画面のさまざまな場所からランダムに出てくるキャラを指定の場所でぴったり止めるってのは意外とキツい
コンフィグでさらに追加してくれたら嬉しいのは「画面上どこで押してもセーフになる」設定とか「出てくる範囲を狭められる」設定とか。これを追加すればもっと幅広く初心者さんがプレイできるかも。

60 王国軍入団試験!

キャラメイクが自由、というか全ステータス0からメイキングが始まるという徹底ぶりだから極端キャラだって作れちゃう(苦労するけど)
×最初にけっこう自由なキャラメイクできるけど、その後成長でステータスを1つ上げるだけでもかなりの量の経験値が必要で、あんまり成長してる実感が無い
特に最初のキャラメイクで偏りステータスキャラを作っちゃうと装備もロクにできなくて長時間苦労する。正直装備のステータス制限はいらないと思う。

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