第4回WOLF RPGエディターコンテストレビュー61〜74
第4回WOLF RPGエディターコンテストの作品をプレイしていて思ったことをレビューします。
※レビュー内の記号の意味についてはトップページを御覧ください
【No.01】〜【No.30】
【No.31】〜【No.60】
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◆61 Fly Clap!!
○音ゲーともぐらたたき系アクションを足すという発想がおもしろい。最悪どっちかが苦手ジャンルだったとしても片方捨てて片方プレイすればミニゲームとして十分楽しいから間口は結構広い。
×音ゲー譜面見てる間はハエとか見てる余裕ないし、その逆も然りで、正直2つを一緒にプレイしようという気には……
└現在のシステムのまま両方プレイする際の煩わしさを何とかするなら、音ゲー譜面をオーバーレイで表示してみてはどうだろう(不透明度が低い譜面をハエたたき画面にかぶせる感じ)それで比較的視点移動の難易度が下がると思う。
★62 ハンテンパズル
「マークした部分を中心として反転させる」というシンプルなシステムの中に数多くのテクニックが存在して、非常に綺麗にまとまった作品だと思います。見た目の美しさに加えて機能美も感じられるデザインが大好きです。
もしこれにゲームパッドでもプレイできるようにコンフィグをつけてくれたら私はこの作品に文句なしの満点を出すでしょう。非常に気に入りました。
★63 秘境伝説ソーシャリアン
タイトルメニューだと思っていた画面がメインメニューだった!というぐらい無駄なものが何もない印象で、「本当に戦闘だけを楽しむ」みたいな出来の作品だと思いました。その戦闘自体、プレイヤーが決められるのは「キャラ出撃順」ぐらいで、実際その要素が戦闘結果に直結するため、「必要最低限のものをさらに極限までダイエットした」ようなイメージのゲームだと思います。
ただ、無駄がないといっても、本当に戦闘以外何もない(ルール説明やチュートリアルまで!)のはいくらなんでも人のことを考えてなさすぎだと思います。特に「2d6(6面ダイス2個を振った時の数字の合計という意味、主にTRPGで使われる略語)」が用語説明なしで使っていいほど知名度の高いワードだとは百歩譲っても思えないので、必要最低限の説明ぐらいあったっていいんじゃないかと思います。
◆64 絆・正義 ハートコネクト
○SRPGをオートにしてさらに経営シミュのような「基地の規模拡大戦略」要素を追加した感じ。それぞれの要素を広く浅く取り入れてるのは面白い。
×AIがあまり頭よろしくないので移動をオートにすると敵やゴールと無関係の場所ぐるぐるするときがある
└操作のオート・マニュアルを戦闘中でも切り替えるスイッチが欲しいかな
×あとこれは直接このゲームの批評というわけではないんだけど、どんな理由があろうと(例え謙遜のつもりでも)自分の作品を「クソゲー」とか「手抜き」とかいう人は大嫌いです。
だって「作った本人すら面白いと感じないものを直すこともせず人にやらせようとしている」のを認めるわけであり、「その作品を作り上げるのにかかった決して短くない時間の結果を『クソ』と言えるほど無価値だったと切り捨てる」わけだからね。
◆65 夕一もどきたたき
○なにこれひょこんと顔出した夕一KAWAIIひょっこり穴から出てくるウルファールさんKAWAII!!アニメーションの作り込みがすごいから見てるだけで楽しい
×キーボードの左手の位置で操作するとなると右利きの人にはプレイしづらいかも
└キーコンフィグつけるか、キーボードの右手の位置でもプレイできる設定がほしいかな
◆66 Castle in the air
○全体的に不思議空間が漂ってる。その不思議空間に身を任せて浮かんでるのが気持ちいい。
×まあ、正直なところ「ゲーム」として評価するにはシナリオが破綻してるけどね。メモだって「隠す」ってことに前提条件あって初めて意味のある謎解きだし佐々木何もしていないし妹とおばあちゃんいるとか初めて聞いたし
└でも、これってたぶん「理解してもらうことを目的としてない」タイプのお話でしょ?だとしたらこれでいいんじゃないかな。
◆67 陰姫
○ちょっとホラー。でもそんなに怖くない。でもちょっとだけびっくり。
×ヒントのほぼ無い建物内を闇雲に歩きまわるだけ、ってイメージ。
└まあ、それも探索ホラーの醍醐味って言えば醍醐味だけど。「次は何をしようか」というのをイベントで軽く匂わせるといいかも。
◆68 Darkness_Wyvern
○自分のメッセージに加えて、敵のメッセージも常時表示されててHPによって変わるってのはユニークだった。ここもっと掘り下げればかなり面白くなりそう
×非常に頻繁に敵弾・味方弾が消えるのはSTGとしては致命的
└たぶんだけど、全ての弾をマップイベントで処理してるよね?発想はとても面白いけど、STGのシステムで使うのはあまり良い判断では無かったかな。
★69 架空共生層プレノード・オブジェクタ zero
オブジェクトがランダム・登場人物の命名規則もランダム・ステージもランダムとランダムづくしな世界の中ながら、そこから感じるものはきっちりと芯が通っている気がして、なんだか不思議な面白さを醸し出していました。
特に深い意味とかは用意されてないんだろうけど、でもちょっとプレイ後に深読みしたくなる、そんなゲームです。ほとんどの時間はその不思議さを楽しめましたが、「前進」ボタンの操作しづらさが時々気になってしまったのが残念。何度も連打するボタンだからこそもうちょっと大きめにして欲しいし、何度も連打するボタンだからこそ誤クリック防止のために他の選択肢とは別の場所に出して欲しかったかな。
◆70 紅の護り手
○あの……これポケm 見た目は全く違うのに一瞬で元ネタが分かっちゃうぐらい再現率が高い。ダメージ計算ツール用意してるってことは、作者さんも内部システムの再現率に自信持ってるってことだろうし、個人だからこそできるこだわりってものが見える
×再現率高いからこそ、オリジナル要素がところどころに入ってるとつっかかる。元ネタプレイヤーさんにとってはそこで拍子抜けしちゃうし、元ネタ未プレイのプレイヤーさんにとっては元ネタも含めて実質2作品ぶんのゲームルール覚えさせられるということになるし、「誰に向けて作ったゲーム」かがいまいちわからない。
└「システムも元ネタのを丸パクりしろ」って言ってる訳じゃなくて、「元ネタに敬意を表してるなら、追加要素も元ネタからあまり脱線しないものにとどめたほうがいいんじゃね」って話ね。
◆71 UDB de ぴくちゃ
○ピクチャの階層・アニメーションをひもづけてUDB一元管理という発想は面白い。よく使う割に汎用処理書くこと少ない場所だからね。ピクチャ。
×発想は面白いって言っても、コンテストとして評価するのはコモンじゃなくてゲームだから……ね?
└コモンの出来が良くてもサンプルゲームが中途半端だと、コモン自体の出来も中途半端に思われるから注意ね。
★72 カナタの空
攻撃キー押しっぱなしでもかなりハイスピードでクールな戦闘が行える思い切ったシステムがカッコいいです。画面が全体的にゴチャゴチャしますが、ほとんど気にする必要なく、むしろメッセージで画面がおおわれているのを楽しめる出来だと思います。
アクションゲームとしてのクオリティはかなり高いのですが、それゆえにゲームパッドに対応していないのはちょっと気になりました。高速なアクションはキーボードよりゲームパッドのほうが見た目的にも操作のしやすさ的にもクールだと思うので、ゲームパッド対応(欲を言えばキーコンフィグも)だと嬉しいです。
◆73 ブラックジャックを1時間で作ってみたかった
○1時間でここまで作るのはすごい。自分も以前に「3時間で1作品作る」って企画をしたことあるから分かるすごさ。
×だからって、コンテストで「製作時間が短いこと」を評価しろって言われても、ねえ。
└いくら製作時間が短い事が特徴といっても、プレイヤー視点だとどうしても「『エースの得点が違う』バグを放置してる作品」としか思えないわけだし、コンテストが終わったらちゃんと直してみよう。
★74 CAPTCHA
正統派な上質SFを感じるRPGだと思います。退廃的な世界観がとてもカッコよくて、常に先が気になる状態でプレイすることができました。
システムも基本システムを利用しながら、スキルが装備+レベルアップをうまく取り入れていて、シナリオを補佐する目的が綺麗に果たされていると思います。
気になったのは中盤以降、敵の強さももらえる経験値も資金もインフレしまくりなこと。前半の資金繰りが一瞬で水の泡になってく感じにちょっとげんなりしました。「レベルに関係なく、上昇ポイントの2乗に比例する料金」という謎な成長屋さんの存在がインフレの主な原因だと思うのですがどうでしょう。
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